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臨月の引っ越しは作業員さんの目が点になる状態からのスタート【第1章】引越(1/6)

2023/04/27
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海外生活が始まる前、当然すべきことは引っ越しです。
我が家の場合、渡英直前から帰国後に家を新築するまでの間の5年ほどの間に、帰国数ヶ月後の船便到着時の荷物搬入を含めると6回の引っ越しを経験しています。今回は最初の引っ越しについてです。

暴れ盛りの第1子と臨月妊婦がいる家庭の引っ越しが、その状況以上に複雑になる事情


とある年末の第1子が2歳になる少し前、母は臨月を迎えて間もない頃に、それまで住んでいた家を離れ、父はUKに、母と第1子は一旦、遠く離れた母の実家に引っ越しをし、第2子が生まれたらできるだけ早くUKへ引っ越しをすることになりました。
UKで、家族で住む家が決まってはいましたが、そこはまだ居住者がおり、父は一旦仮住まいへ引っ越すことになりました。家族全員がその仮住まいに移ってから、本来住むはずの家の居住者が退去した後、引っ越すことになりました。

ここまでで、住んでいた家からの引っ越し、母の実家からの引っ越し、仮住まいからの引っ越しと、産前産後に3回の引っ越しをすることとなります。体調がイマイチだった母は想像しただけでメンタル崩壊しそうなので、3つのルールを決めてから引っ越し業者さんとの打ち合わせに臨みました。
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実作業を想像するだけでメンタル崩壊しそうな荷物の仕分け

  • UKに送る父の荷物
  • UKに送る母と子どもたちの荷物
  • 帰国するまで使わない、トランクルームに預けるもの
  • 引っ越し時に処分するもの
  • 母の実家に送るもの
  • 母の実家に送った後、UKに送る荷物
  • 母の実家に送った後、帰国までトランクルームに預けるもの
  • 母の実家に送った後、出国時に処分するもの

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引っ越し屋さんとの打ち合わせ。全て希望が叶う方向となりました



母の希望

  • 引っ越し前に一切の梱包作業をしない
  • 何をどこに送るのかだけは母が明確にしておく
  • 当日の朝発生した生ゴミも粗大ゴミも、すべてのゴミを処分してもらう

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引っ越しは、荷物の梱包も全てお任せするプランとしていました。全てお任せとは言え、本当に一切の準備もしなくていいのか疑問ですし、人としてどうなのかという気持ちもありました。打ち合わせ時、第1子がおもちゃを床にポイポイ投げながら遊んでいるその様子も含め、「引っ越し当日はこの状態からスタートしてもいいですか?父の仕事の関係で、家にいるのは母だけになり、指示をすることしかできませんが。」と、恐る恐る営業担当の方に質問してみました。

営業さん、一瞬凍りついたような気がしなくもありませんでしたが、首をゆっくり左右に1往復半動かしながら部屋の様子を見て、「そのためのプランですから大丈夫ですよ」と微笑んでくれました。続けて、「ただし、当日作業員に速やかに指示を出していただけるような準備をお願いします」という補足が。準備途中の「引っ越しノート」を営業さんに見せると「これを完成しておいてもらえれば大丈夫ですね」とお墨付きの言葉をいただけました。

ゴミに関しては全く問題なく、安心して引っ越し当日を迎えることができました。
安心して引っ越し当日を迎えましたが、やはり作業員さんはこの普段通りの部屋を見て唖然とするんだろうなと思いながら、でも体調を崩すことなく引っ越しと出産を終えることが大切と考えながら、営業さんの言葉に甘えることにしました。

引っ越し当日、やはり作業員さんは唖然とした。そして時間が経つごとに作業員さんが招集され、終了時には朝の2倍超えの作業員さんがいた


引っ越し当日、心配した父は仕事を休んで引っ越しに立ち合おうかと言っていたのですが、その日が渡英前の最後の出勤日で引き継ぎもあるはず。それにこんな普段通りすぎる状態からの引っ越しは顰蹙を買うに違いないので、視界に入る客が妊婦しかいなければ怒りは諦めに変わるはずだと考える強かな母は、父を送り出し、第1子を預け、朝食の後片付けをしているところに引っ越し屋さんが到着しました。
第1子が家にいないこと以外は本当に日常そのものの生活感あふれる部屋と母の状態に引っ越し屋さんはやはり5秒くらい言葉を失っていました。絶望感あふれる表情で、「(引っ越しは)今日で合ってましたよね?」とリーダーと思われる方から確認されました。その直後、増員の手配をかけていました。

5人の作業員さんに移動先を「航空便」「船便」「陸送」「倉庫」「処分」で認識して欲しいことを伝え、引っ越しが始まりました。引っ越し屋さん方は午前中にある程度終わりが見えてくると予測していたようですが、実際終わったのは薄暗くなった頃でした。
その間、母はほぼ動くことなく、大きな声で「航空便」「船便」「陸送」「倉庫」「処分」の言葉を発し続け、別の現場作業が終わり次第我が家に向かって欲しいとリーダーが何度も電話をかけていて、動かない母に見えるだけでも10人の作業員さんが無駄のない動きをしているのが見えていました。
やっと家の中が空っぽになって、念の為に処分品の確認を、と促されて外に出てみたら、ずっと外で箱をトラックに運び続けていたらしい作業員さんもいて、結局何人のお世話になったのかよくわかりません。

そして家族3人、車に乗って母の実家に向かって長いドライブを始めたのでした。複雑な引っ越しではありましたが、引っ越し業者さんのおかげで体調を崩すことなく新生活をスタートすることができました。
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